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「はぁ~…」
そう息をはくと床に崩れるように座りこんだ。
クビを上げてオレを見ていた。オレはこの間が嫌だった。
「なに…見てんだよ。」
と、少し強めに言ってしまった。
彼女は、目を伏せて
「ヤッパリ覚えて無いんだ」
苦笑しながらいった。オレは、
(そんなこと言われても…
と思った。
「大きくなったら私が涼くんの病気治すから」
オレは、昔の記憶が蘇った。オレが子供のとき入院していた部屋で隣に寝ていた女の子が言った言葉だった。
「理香…ちゃん」
オレは、思い出したように彼女の名前を呼んだ。
「やっと…やっと思い出てくれたんだね」
オレの方をみて目に涙をためながら言った。
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