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じぃちゃんとドブネズミと僕
何日か、たって、
じぃちゃんが餌をあげていたドブネズミは、元気に鳥カゴを駆け回っていた。
相変わらず、臭くて、汚いドブネズミに、じぃちゃんは、チーズをあげていた。
少しも、可愛いげのない奇妙な鳴き声で、ドブネズミは、『おかわり』をせがんでいた。
そして、ある日、
ドブネズミを森に逃がす事になった。
夜にじぃちゃんと一緒に森に行くことになった。
その日、僕は、じぃちゃんの家に泊まる事にした。
じぃちゃんが鳥カゴをもって、僕は、じぃちゃんの怪我をした人指し指の手を握っていた。
ばい菌が入ったのか、人指し指は、酷く、真っ赤になって、腫れていた。
それを見た僕は、
じぃちゃんの人指し指をこんなにした、ドブネズミが嫌いで、
『なんで、殺さず、看病してたの?このネズミは、じぃちゃんに怪我させたんだよ?殺さないとまた、怪我するよ。』と、言った。
すると、じぃちゃんが昔の戦争の話をしてくれた。
その内容は、
じぃちゃんは、中学も行かずに、空襲がきたら、鐘を鳴らしたり、していたという話だった。
じぃちゃんは、戦争で、親戚や、知り合いや、友人がみんな死んでしまったらしい。
そんな事を言っていた、じぃちゃんは、なぜか、森に向かわず、海に向かっていた。
海に着くとじぃちゃんは、こう言っていた、
「死んだ、親戚や、知り合いや、友人は、みんな生まれ変わって、じぃちゃんに会いに来てくれてるから、じぃちゃんは、このネズミを殺せないんだよ。」
と言っていた。
そうゆうと、じぃちゃんは、海の浜辺で、ネズミを逃がした。ネズミは、近くの林の方に、逃げていった。
空っぽになった、鳥カゴを持ち上げて、
じぃちゃんの家に帰ったら、ばぁちゃんが、イカの刺身とカレーライスを作っていた。
ばぁちゃんは、あきれたような顔をして、
「今日は、ごちそうよ」
といっていた。
空っぽになった鳥カゴをじぃちゃんは、食卓の横にぶら下げて、じぃちゃんは、涙目になっていた。
その時、ばぁちゃんが、こう言っていた。
「じぃちゃんわね、ゴキブリも殺さんから、昔から、うちは、ゴキブリだらけやとよ。」
と、そのあと、笑いながらみんなでごちそうを食べた。
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