じぃちゃんとドブネズミと僕

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ

じぃちゃんとドブネズミと僕

何日か、たって、 じぃちゃんが餌をあげていたドブネズミは、元気に鳥カゴを駆け回っていた。 相変わらず、臭くて、汚いドブネズミに、じぃちゃんは、チーズをあげていた。 少しも、可愛いげのない奇妙な鳴き声で、ドブネズミは、『おかわり』をせがんでいた。 そして、ある日、 ドブネズミを森に逃がす事になった。 夜にじぃちゃんと一緒に森に行くことになった。 その日、僕は、じぃちゃんの家に泊まる事にした。 じぃちゃんが鳥カゴをもって、僕は、じぃちゃんの怪我をした人指し指の手を握っていた。 ばい菌が入ったのか、人指し指は、酷く、真っ赤になって、腫れていた。 それを見た僕は、 じぃちゃんの人指し指をこんなにした、ドブネズミが嫌いで、 『なんで、殺さず、看病してたの?このネズミは、じぃちゃんに怪我させたんだよ?殺さないとまた、怪我するよ。』と、言った。 すると、じぃちゃんが昔の戦争の話をしてくれた。 その内容は、 じぃちゃんは、中学も行かずに、空襲がきたら、鐘を鳴らしたり、していたという話だった。 じぃちゃんは、戦争で、親戚や、知り合いや、友人がみんな死んでしまったらしい。 そんな事を言っていた、じぃちゃんは、なぜか、森に向かわず、海に向かっていた。 海に着くとじぃちゃんは、こう言っていた、 「死んだ、親戚や、知り合いや、友人は、みんな生まれ変わって、じぃちゃんに会いに来てくれてるから、じぃちゃんは、このネズミを殺せないんだよ。」 と言っていた。 そうゆうと、じぃちゃんは、海の浜辺で、ネズミを逃がした。ネズミは、近くの林の方に、逃げていった。 空っぽになった、鳥カゴを持ち上げて、 じぃちゃんの家に帰ったら、ばぁちゃんが、イカの刺身とカレーライスを作っていた。 ばぁちゃんは、あきれたような顔をして、 「今日は、ごちそうよ」 といっていた。 空っぽになった鳥カゴをじぃちゃんは、食卓の横にぶら下げて、じぃちゃんは、涙目になっていた。 その時、ばぁちゃんが、こう言っていた。 「じぃちゃんわね、ゴキブリも殺さんから、昔から、うちは、ゴキブリだらけやとよ。」 と、そのあと、笑いながらみんなでごちそうを食べた。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!