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食べなくても死なない。それは事実だった。強いて言うなら食事が呼吸そのものだった。
-今から何するんだ?-
-あなた、質問ばかりですね。少しうるさいです。-
-何するかぐらい言えよ。-
彼女はうつ向きぎみに言った。
-今からあなた自身にも能力を少し使ってもらいます。そこにある石をなにかしらの金属類に変化させて。-
-あっあぁ…- 調子狂うな、一瞬そう思ったが嫌と断れはできない雰囲気が流れていた。少し時間はかかったが石は鉄に変化した。
-ふん、宝の持ち腐れね。あなた、誰が鉄一つに限定しろって言った?部分的に鉄やアルミ、鉛とかにできないわけ?-
-んなことできるわけねぇだろ!-
-見てて、手本見せたげる。- そう言うとみるみるうちにまわりの石がツギハギ金属になった。
-すげぇ……ってお前今俺のエネルギーとやらを使ったのか?-
-当たり前でしょ、……大丈夫疲れたりはしても死なないから。エネルギーと言っても体力だけだから。体力を付ければなんてことない-
-簡単に言うなよ。-
-とにかく、これからは少しづつ鍛錬をします。あと一時間もすれば元の世界に戻るでしょう。-
-元の世界って?じゃあここは!ここは任務先じゃないのかよ!-
-言いませんでしたっけ?この世界はあなたの元の世界をトレースした世界で数学的に言えば写像です。-
-すまん…わけわからん…-
-説明は終わりです。たとえ一時間弱でも鍛錬します。ちなみに今なぜここにいるかということだけ…今組織が向こうの世界の微調整をしています。では鍛錬開始します。-
また微笑した。相変わらず声は小さかった。
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