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校庭には生徒の姿はなく,幸いにも誰にも会わずに校舎の中に入った。1つの棟が普通の学校並みに大きく、それが小等部、中等部,高等部さらに体育館やら室内プールやら設備が揃っているうえ、理事長のみだけの棟があるから驚きだ。
全校生徒千人を超えると言われているが内部事情は公開されず、生徒の目撃情報も少ない。
どこのアニメだよ…………….
設定おかしいだろ。今更常識を気にしてどうするのか。
「どうしたん~?考えこんじゃって。」
弥生が前に来て覗き込む。
「別にな。さっさと仕事終わらせてこの服脱ぎたいなぁと思ってたんだよ。」
「結構似合ってるけどなぁ~。」
「満面の笑みで言うな。それに気をつけろよ。誰が聞いているか分からないぞ。」とふと思う。
「なぁ、弥生。ここの生徒見たか?」
「ん~ん。そう言えば見てないねぇ。」
確かここの生徒は全寮制なはずだ。寮にいるとしても部活でもあるはずだ。
なぜ、1人もいない…………….
と前に人がいるのに気づいた。
「…………………….」
「…………………….」
「…………………….」
「…………………….」
並んだ4人は沈黙した。
なぜ、突飛しに出てきた。この廊下は直接のはずだ。教室から出てきたにしては物音1つしていない。
「侵入者発見。捕獲します。」
生徒の片方が言った。
えっ?バレてる?
「あなたたち、大人しく捕まりなさい。手荒なまねはしたくありません。」
さっきと違う生徒が言った。
「えっ、ちょっと何を言って……….」
「10秒以内に両手を床に着かなければ行動に移します。」
って聞く気ねーやん。
「逃げるぞ。」
っと弥生に言って、数を数えようとする2人を置いて今来た道を全力疾走で走った。階段を上がり、脇道を入って階段を上がったり下がったり、兎に角、弥生を抱きかかえ、走った。
どうやら追ってはこないらしい。
とっさに1つの教室に入り、弥生を降ろして息をついた。いくら女の子と言えども抱えて全力疾走は厳しかった。
「大丈夫?」
と声をかけてくれるが息が上がって返答できない。
「でも、一体なんだったんだろうね。どこでバレてたんだろ。」
「どうせ………夢櫂…が……な…にかやらかしたんだろ。あの生徒…高等部だったし。それで生徒がいないのも分かるしな。」
不審者の為生徒を緊急非難か、でも何故、教師ではなく、高等部の生徒だったんだ?
そんな疑問を思いつつ、やっと息を整えた。
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