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中学の彼を忘れられないまま、高校に進んだ僕は、ある事情から教室に入ることができない生徒が数人で勉強できる部屋に、小学校からの友達もいたので休憩時間によく遊びに行っていた。
あれは1年の夏頃だったと思うけど、その部屋に新しい子、名前は忠。が来た。
忠は別のクラスの子でそれまで存在も知らなかった。
いつも1人で休憩時間に僕達が遊びに行っても、壁に向かって置かれた机の前で、静かに座っていた。 僕の友達は健康上の理由でクラスにこれなかったけど、あとで聞くまで知らなかったけど、忠はイジメに遭ってたらしい。
僕はどちらかというと世話焼きで、そういう子はほっとけない質だったから毎日少しずつ話かけていった。最初は迷惑そうにあまり反応してくれなかったけど、徐々に話をしたりみんなで昼休みにトランプをしたりして打ち解けていった。 素朴だけど普通に明るい性格なのに、イジメられてたせいか少し陰のある部分があって、少しずつ自分の友達よりも忠のことが気になってその部屋に行くようになっていた。
切れ長の綺麗な一重で、全体に整った顔で性格は男っぽかったけど、いつの間にか好きになってたことから思えば、やっぱり僕は生まれついてのゲイだったのかもしれない。
忠は精神的に強くなかったのか、よく学校を休んでいた。そういう、彼の気が落ちていると思われる日は、僕も1日落ち込んでしまっていたが、ゲイであることを隠しすために普段と同じように振る舞っていた。
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