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「…おい」
僕が低い声音で正光に言った。
「なんだ?まだ何かあんのか?」
「…いや、もうそういう事なら文句は言わねぇさ。…ただし!」
僕は改めて息を吸い、ビシイ!と人差し指を正光に突きつけた。
「俺の平穏な日常を壊さない限りだ!もし、お前が俺をこれ以上変人に近づけるようなことをしたら…」
今、みんなの視線が僕に注がれている。
それを感じながら最後の一言を言い切った。
「全力でお前を退学に追い込んでやる!わたっ…わかったか!」
一瞬にして視線が冷ややかなものに変わり、続いて哀れみを含んだものとなった。
噛んでしまった…。
表情を変えずにみるみる赤くなっていく僕。
「あー…ドンマイ」
…最近で一番イタかった出来事だった。
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