1月10日、学校

8/8
15人が本棚に入れています
本棚に追加
/60ページ
「…おい」 僕が低い声音で正光に言った。 「なんだ?まだ何かあんのか?」 「…いや、もうそういう事なら文句は言わねぇさ。…ただし!」 僕は改めて息を吸い、ビシイ!と人差し指を正光に突きつけた。 「俺の平穏な日常を壊さない限りだ!もし、お前が俺をこれ以上変人に近づけるようなことをしたら…」 今、みんなの視線が僕に注がれている。 それを感じながら最後の一言を言い切った。 「全力でお前を退学に追い込んでやる!わたっ…わかったか!」 一瞬にして視線が冷ややかなものに変わり、続いて哀れみを含んだものとなった。 噛んでしまった…。 表情を変えずにみるみる赤くなっていく僕。 「あー…ドンマイ」 …最近で一番イタかった出来事だった。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!