Ⅳ.自業自得

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泉が俺を「みんな」の中に引き込んで一週間ぐらい経つ。お互いの事もだいたいわかってきて、俺はもう四人の中に溶け込んでいた。下校も昼食もみんなとするようなった。 ――ピピピ…ピピピ…ピ…ガチャ―― 『ふわぁ…………ふぅ』 俺は大きなあくびをし、支度にかかる。 『ん……これでよしっ』 俺は軽い足取りで駅へと向かう。 (泉達と会ってからなんか学校が楽し……いやいやそんな………でも……うん、楽しいっ!) 今まで学校が楽しいと感じことは無かった。俺は自分が少しずつ変わって行くのを感じていた。 (癪だけど、泉のおかげか……………おっ) 俺は電車に乗ると、見覚えのあるアホ毛を見つけた。人が重なって見えないがあれは間違いなく泉だ。 (…後のおっさん泉にくっつき過ぎじゃないか?) 俺は直感した。すぐに近くへ行き、男の腕を掴んだ。 『おっさん…人のダチに何してんの?ま、とりあえず…………この人痴漢でーす!』 男は注目の的となり逃げられず、次の駅で駅員に連れていかれた。 『泉…大丈夫か?』 泉『うん…まったく…やんなっちゃうよ。人の体をベタベタと触ってきてさ。けいごくん、殴ってくやってもよかったのに』 『おいおい…殴るのは―――――』 気丈に振る舞う泉の体は少し震えているようだった。 『………』 俺は黙って泉の頭を撫でてやった。泉は不思議そうに見ている…… 『……よしよし。怖かったんだよな…』 我慢していたものが溢れ出るように、泉は急に泣き出した。声は出さず、俺の制服に顔を押し当てて… (あぁ、また泣かせちゃったか。…………今は泣いていてもみんなの前では笑ってるんだろうな……お前は強い子だよ) 『ほら、涙拭いて。学校行くぞ?』 『……うんっ』 俺たちは学校へと向かった。
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