#02 かんゆう

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式が終わり、教室へと向かう途中。 体育館裏に数人の人影を見た。サボりか喧嘩かイジメか恐喝か。 いずれにせよ、人影の無い所に人が居る。そこに近づけば、ろくなことがないのは馬鹿でも解る。 ……が、俺は解っていてそれを見に行った。もちろん暇つぶしだ。つまらない話を教室で聞くよりは、よっぽどマシだろう。 覗く前に、鈍い音がした。勢いよく顔を出すと、一人の男子が三人に殴られている光景が広がっていた。 そこへ出ていくと、全員動きを止めてこちらを見る。 「三対一……ねぇ。ちょっと厳しいんじゃないですか」 「は? 何、お前。新入生?」 「お前には関係ねーだろ。どっか行けよ」
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