#02 かんゆう

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  「いやぁ、見ちゃったら放っとけないですよー」 偽善的な発言だな、と自分でも思った。これじゃあ、俺が助けますと言ってるようなものだ。 勿論そのつもりは全く無かったのだが。 「お相手しましょうか? 俺、ケンカの腕には自信あるんですよ」 にかっと腕を挙げて笑った。すぐに相手の顔が、ケンカする顔に変わる。 そうそう、俺その顔大好き。そういう顔ぶん殴るの、だぁい好き。 「入学したてで病院送り希望か。お望み通りにしてやるよ」 一人が俺の胸ぐらをガッと掴む。俺の方が身長が高いので、相手は俺を見上げる体勢だ。
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