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「可愛いばっか言うなよ! 気にしてんだぞ」
これを言うと、大抵日向は怒る。今だって、少し恥ずかしそうに口元に手を当てながらそう言っている。
……折角可愛いんだから、もっと良い人生の歩み方もあるだろうに。それを邪魔してる原因は、少なからず俺にあるのかもしれないけど。
「俺最初かなりなめてかかったもんー」
「ああ……俺と太陽がぶつかった時ね」
あの頃の俺は今よりもっと荒れてて、周りがみんな敵に思えてた。
そんな時にぶつかってきた小さい相手に、俺は怒鳴りつけた。思い出すのも恥ずかしいくらい、ありがちなセリフで。
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