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破壊された街、雨に濡れたそこには凄惨な景色が広がっていた。
大きな戦でもあったのだろうか、幾重にも連なる人々の亡きがら。なかには小さな子供や赤子を抱いた母親の姿もあった。
街を守るはずの衛士達の姿はどこにも無く、ただ民間人の遺体のみが累々と積み重なっていた。
その街の一角にある教会の前に力無く立ち尽くしている青年がいた。17、18才位のその青年は白い髪を腰の辺りまで延ばし、線の細い身体付きも手伝ってか一見女性に見間違えそうな程、整った顔をしていた。
ただ、その両手には剣がそれぞれ握られており、その刃は血で真っ赤に染まっている。
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