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トイレの鏡に映った僕はまるで怖い夢を見た後の子供のようだった。
不安。感じない振りをしていたはずだったそれがあらわに滲んでいる。
知覚が感情に作用するのだろうか。僕は拭ったはずの涙の跡に、これから先に流すだろう涙を思わずにいられなかった。
それは下らない事だと思ったけれど、どうしようもない程圧倒的な質量を持って僕を捕らえた。
一人でいることがたまらなく辛い。
誰か、側に来て欲しいと思う。不安なんて、下らない事だと言って欲しかった。それは詰まらない願いだとしても…
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