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人魚が拾ったビン
伝えたかった言葉をビンに詰めて海へ流したら
月明かりの下、美しい人魚がそれを拾って唄ってくれた。
届いてくれるだろうか?
ここは私の流した涙と同じくらい冷たい海
想人は答えてくれるだろうか?
愛してもらう事は贅沢だったのか?
ワガママだったのか?
人魚の歌声が風に乗り、辿り着く先がどうか貴方の胸へと願うばかり。
貴方が忘れてしまった事、私が覚えている事全て詰めたこのビン。
やがて人魚の歌声は、打ち寄せる波と共にこの海の泡になり、静かに消えていく。
この夜が終わる頃
沈黙の月が太陽に空を明け渡すかのように…
静かに…。
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