温もりの跡

1/1
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/24ページ

温もりの跡

雲の切れ間に月を見る 葉に滑り落ちる雨粒よりも速く 消えてしまう君の温もりをたどる 恵みの雨は 乾く大地に降りそそぎ 君を想い、ほてるこの身体に染み込んでくる 濡れた唇に伝う熱いもの 速まる鼓動が拍車をかけて思い出す 熱い吐息に掠れる声は 月を惑わす雨雲に覆われて 砂に書いた手紙を 瞳に映す
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!