二つの家庭

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熊本を発つ日、私はみーに言われた通りに、家を出る前にみーに電話を入れた。 いつもより少し多い荷物を車に積み、祖父母には「おじさんの所に泊まりに行ってくるね。」とだけ伝え、車に乗り込んだ。 車が走り出してわずか1、2分。右手には家の外で待ってくれていた大親友のみーとあーちゃんが見えた。こんなに寒い夜に、パジャマの上からちゃんちゃんこを着て、サンダル履きで、手を降ってくれていた。 少しずつ離れていく親友の笑顔と、手を大きく振る姿。最後にはみんな泣き崩れていた。それでも二人は私たちが見えなくなるまで手を振り続けてくれていた。 『みー、あーちゃん、ありがとう。本当にごめんね。』 『じいちゃん、ばあちゃん、黙って行ってごめんね。沢山会いに来るからね。』 『私が生まれ育った、思い出がいっぱい詰まった大好きな町、さようなら。』 私たちは泣きながら眠っていった。沢山の人の笑顔や思い出を胸に抱いて。
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