第4章~〓2つの思い〓~

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佳恵さんには隠し事はしたくなかった。 だから、瀬那のことを話すことにした。 これ以上佳恵さんに心配かけたくないし…。 『実は、今日友達が告白したんですよ…。でも、失敗しちゃって…。だから、俺だけがこうして佳恵さんと会ったり、メールしたりするの……何か悪いな~って思って…。』 「そっか~。」 『しかも…その友達ふさぎこんじゃって…。だから…すいませんでした。』 俺は佳恵さんにちゃんと謝った。 「里流はさ…私とメールしたりとか、会ったりとかするの楽しくない?」 『全然そんなことないです!』 「だったら…ちゃんと私のこと見て?その友達は多分、里流に同じ悲しみを知ってほしいって訳じゃないと思うよ?だから、里流は里流で楽しまないと損だと思うな!」 佳恵さんの優しさが身に染みた。 確かに…瀬那の痛みを背負うなんて、お門違いだ。 瀬那がそんなこと望んでないことくらい…わかってたはずなのに…。 『ありがとうございます。』 「もう!そんなに謝らないの~!」 佳恵さんは笑って、頭を撫でてくれた。 こんな時間がいつまでも続けばいい…。 俺はこの時改めてそれを実感した。
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