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「あ、あそこが空いてるぜ」
「………ぁぁ」
舞斗とファステアは湾岸道路を数回往復した後、休憩の為にサービスエリアを訪れていた。
「🎵🎵🎵」
「………」
手に持つトレイにアメリカンドッグやらフライドポテトやらを乗せ満面の笑顔でそれを運ぶファステアに対し、舞斗の方はというと、無料サービスのお茶を持ちげっそりとした表情で彼女の後ろについていた。
「なあ、一つ聞くが」
「ん?」
席に着いたとたん力尽きたかの如くテーブルに突っ伏す舞斗。そのままこの頃思っていた疑問を口にする。
「ここんところ毎日の様に俺を連れて彼方此方と走り回ってるのは何か意味があるんだよな?」
「別に無いけど」
「無いのか!?」
非情な答えに思わず顔を上げる。見れば答えた本人はフライドポテトを一つまみ「あーん」と口に運ぶところだった。
「なんつーか…“あいつら”の出方を見るとか…」
「そんなのアタシの知った事じゃないよ。来たけりゃ勝手に来ればいい話さ」
そしてポテトをもう一つまみ。
「ちょっと塩がきついな、これ」
「…お前な…」
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