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そんなノープランで良いのかと説教してやりたかったが、いかんせん身体の疲労がそれを阻んだ。たっぷり二、三時間もの間ノンストップで走り続けたのだ。再びテーブルに突っ伏す。
「…いいや、もう」
それに何か言っても今は無駄だ。ポテトの次はアメリカンドッグにかぶりつき「んまー」とご満悦なファステアにこちらの話を聞く様子など皆無であった。
(…誰も信じないだろうな)
そんなファステアを見ながら舞斗は思う。自分の前に居るケチャップを口につけて笑っているこの少女が。
実は“人間”ではないなどと。
🏁
「あんたが御波 舞斗かい?」
右手の長刀を左手のナイフの基部に連結させながら、箱から現れた少女は舞斗に近づいていく。
その身は、身体にぴったりとフィットし凹凸に富んだボディラインがくっきりと浮き出るライダースーツの様な服を着込んでいた。赤と黒のカラーリングが鮮烈な印象を与える。
「そう、だけど…?」
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