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「うおあっ!」
振り落とされて他の車にぶつかりでもしたら死んでしまってもおかしくない。いや、このスピードなら確実に死ぬ。落とされまいと、舞斗はファステアの腰の辺りに思いきりしがみつく格好になる。
「あは🎵そうそう!大人しくそうやってアタシに抱きついてればいいの!」
チラリと後ろを振り返り、楽しそうにファステアは笑う。
「っ…お前なあ!!」
「怒らない怒らない。ほら力緩めないで、今度こそ落ちちゃうよーっと」
そうおどけて、前方を指差す。
「何?」
凄まじい風圧の中なんとか目を開け、指差す方を舞斗が見てみるとその先にはハイウェイのジャンクションとその案内板。
ファステアは迷う事なく分岐の一つに入る。
「おい…湾岸方面て」
「フフ、スピードの向こう側ってやつを教えてやるよ、舞斗!」
彼女の選んだ分岐の先は、海岸沿いに大きく緩やかなカーブと直線が続く湾岸道路がある。スピードを出すにはうってつけの約十数キロものストレートコース。
「さあ、全開でいくぜーっ!!」
「やめろぉおおおぉおぉー?!」
舞斗の制止もどこ吹く風。ファステアは一気にトライクをフル加速させた。
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