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ぽたぽたと、雨の粒が落ちて来た。
++雨模様++
しまった、今日は傘が無い。
通学鞄を開き掛けて思い出す。
今日は午後から雨が降る様だよ───、父が出掛けに声を掛けた。
俺に、では無く、そそっかしい弟に向けられた物。
「大丈夫!!降る前には帰って来る!!」
遅刻するから、と父の言葉を振り払おうとした弟の腕を絡め取って、ランドセルの中に折り畳み傘を詰め込む。
その言葉、小学生らしい発想ではあるけどね、
「風邪をひくだろ、」
余計なお世話だ、弟の尖らせた唇が余りにも旨そうで、思わず小さな口付けを落としてしまった。
案の定、弟は可愛い項を見せて、これまでの威勢の良さは何処へやら───、小さくうつ向いて、いってきますも言わず家を出てゆく。
その姿を思い出して───、擽ったさから一人、肩を揺らした。
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