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光の魔法使い、【レイ・ストゥム】は辺境に追いやられた一族の生き残り。
彼は今、魔法の力を使い賞金稼ぎをしている。
そして今日も賞金首の水の魔物【グリーンズ】と呼ばれる緑の獣を探し、グリーンズが狙う小さな街、ベイシャウルタウンを訪ねていた。
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ベイシャウルタウン六番街裏路地
ゴリっ…!ペチャ…ッガリガリッ!ヌチャア…
「チッ…手遅れか…」
グリーンズが人を食っている最中にレイは出くわした。
「オイ…お前…魔法…使い…だな…」
グリーンズは人を食うのを止め、ゆっくりレイの方を向き威嚇するように言った。
「だったらどうした?オレも食うのか?下衆野郎。」
グリーンズは気が短い、その上かなり狂暴だ。
それを知っての上でのレイの挑発。
「いい加減腹の口に引っ掛かってる脳味噌食ったらどうだ?それとも何か?魔法使い相手じゃ怖いのか?」
グリーンズの怒りは頂点に達した。
―――ウォォォ!
真昼の路地裏に怒りの咆哮が響き、水の魔法を操るグリーンズが殺した人間の血で大きな刃を形成した。
「魔法使い!ぶっころしてやる!ぶっころしてやる!」
レイに向かって一直線にジェット噴射の様に走りだしたグリーンズは刃を掲げて怒り狂っている。
「ハッ…単純な豚だ…脳味噌まだついてるぞ?…おっと!」
紙一重で斬撃をかわしたレイは左手で何かを掴むように構え、光の魔法を放った。
「ディスパイアレイ!」
魔法は矢の形をし、グリーンズの腹の口に突き刺さった。
「ガ…ア……」
―――ドオン…
巨体が崩れる音がし、レイはポケットからカードを取り出した。
この世界には魔法の込められたカードがいくつも存在する。
ブラックリストセンターで無料配布されているカードをレイは使用した。
「こちら六番街裏路地。リストにあったグリーンズを殺った。報酬を貰おうか。」
――――ヴ…ウン
「ベイシャウル六-S241。確認するためカードを死体にかざしてくれ。」
リストセンターの係員の声がし、死体はカードに吸い寄せられ跡形もなくなった。
レイの黒いカードから賞金額の150万ジェニーが吐き出され再び黒いカードから声がした。「確認した。今後も頼む。」レイは軽く伸びをし、肩を回した。
「割りに合わない仕事だよ…全く…」
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