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君は助手席で爪を磨きながら、流れる車の波をみつめている
ラジオからは聞いたことのない懐メロが僕らの間を流れていく。
僕が緊張していることにも気づかずに、君は満足げに、キラキラ光る爪を眺めて
「綺麗でしょ。」
と笑う。
時折、ヘッドライトに浮かび上がるその笑顔が何よりも綺麗で、僕は決意する。
「愛してる。結婚しよう!」
…暗くて表情がわからない…
次のヘッドライトに浮かんだ彼女は、瞳からはらはらと流れる真珠をそのままに、綺麗な笑顔でうなづいた。
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