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俺と漸は、結局授業をサボってずっと屋上にいた。
漸は見た目クールなのに中身は、かなりノリがいい事が判明した。
親父ギャグとか普通に言い出したり、何かいきなりラジオ体操始めたり…。
やっぱり人は見掛けによらないんだな、とか微妙に思ってしまったり。
「そろそろ教室行かね??もう今日の授業終わりだろ。
早く帰ってお菓子食べなきゃな!」
漸はそう言うと、凄い勢いで立ち上がる。
1秒もかかってないんじゃないかってくらい早かった。(←どうでもいい)
「了解」
俺はそんな漸に同意して漸と一緒に屋上から出る。
漸は、屋上に来た道を反対向きに進んで俺らの教室に戻った。
「んじゃ、翼、告れよ!絶対だぞ!!
いい結果期待してんぜ」
もう授業が終わった教室で。
皆が帰り支度を整える中、
漸も自分の支度を終えて、
俺に何度も凜への告白の約束をさせると、さっさと帰って行った。
なんか台風みたいな奴だな…
とか、一瞬呑気な事を考えたが、今日凜に告白するという漸との約束を思い出した。
「はぁ…」
マジ緊張する…
でも告んなきゃ漸に殺される。
あの恐ろしい笑顔でね。
俺はそんな事を思いながら、決意を固めて凜の席に近付く。
「り、凜」
どもっちゃったよ、俺。
でも何とか凜に声を掛ける事が出来た。
凜はそんな俺に笑いかけた。
「どうしたの?翼」
その笑顔にまた見惚れてる俺がいる。
俺…重症だな、こりゃ。
「今日一緒に帰れる??」
「いいよ。一緒に帰ろ♪」
俺の問い掛けに凜は、ニッコリ笑ってそう言った。
ヤバいぜ、これは…
緊張しすぎて…心臓が移動しそうだ(←?)
「じゃあ帰ろっか♪」
帰り支度を済ませた凜が俺に笑顔を向ける。
いよいよだ…
俺の想いを伝える時がもうすぐやって来る。
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