゚. 君という花 .゚

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  凜に告白したその翌日、 俺は学校に行く途中、凜を迎えに、凜の家までの道を歩いていた。     っていうか…   俺の想い、凜に届いた…んだよな?     昨日…。   正直まだ信じられないけど。     この胸の温かさが、   凜と気持ちが繋がった、   幸せの証拠なんだと、     そう思う。     これから俺が凜の全てを受け入れて、凜を守っていくんだ。   そう思うと何だかくすぐったかった。   そんな事を考えているうちに俺は凜の家の前まで到着していた。     ピンポーン…     凜を呼び出すべく、俺は家のチャイムを押す。   こんなふうに凜を迎えに来る日が来るなんてな… 予想もした事なかった。  でも理想ではあった。   いつか俺が凜を迎えに行けたらなぁ、と。   思い描いた事はあった。    それが叶うなんて…     やっぱり嬉しすぎる。     「よう、翼。偶然だな!」     その時突然、後ろ声が聞こえた。     真後ろから声が聞こえた。     聞こえた声の大きさからするとかなり至近距離で声を掛けられていると思う。   声の主は振り向かずとも分かる。     こんな至近距離で声を掛けて来る独特の奴っていったら…     「漸……」     俺は振り向いて相手の名前を呼んだ。   そして推測通りの至近距離。     「はよっす!」     後ろにいたのは   見た目と性格が一致しない人NO.1   桐生漸だった。     「漸もこの辺通って通学するんだな」   俺は、漸に興味なさげに言う。     「おう。まぁな~。 何か翼っぽいイケメンの人がいたから声かけちまったよー! 人違いじゃなくて良かった」     漸はニコニコしながら言っている。   っていうか漸、もし声掛けたのが俺じゃなかったらどうしてたつもりなんだ?   おう、翼。偶然だな!とか言って「振り向いたら人違いでした~♪」とかいったらかなり恥ずかしいよな。   漸、人違いじゃなくて良かったな。     「翼下らない事考えてんなって」     漸はまだニコニコしながら俺の思考にツッコミを入れた。   やっぱり漸、君は凄いよ(←何で)     「っていうか! おいおい、翼。 ここって凜の家なんじゃねーの?まさか…昨日…」   漸はいきなり顔色を変えて凜の家を指差してニヤニヤしている。    
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