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ガラガラ…
ちょっと古くさい扉の向こうには、いつもと変わらぬ教室の風景。
読者しているクラスメイト、
窓際でかたまって談笑しているクラスメイト、
黒板に落書きをしているクラスメイト。
全てがいつも通りだけど。
だけど、ただ1つ違うのは、練と俺が親友じゃなくなったという事。
それは間違い探しの中の見つけにくい違いのように、他のクラスメイトからすれば分かるはずのない事実だった。
俺と練が絶交したのを知っているのは、俺ら自身だけ。
「凜ー!おはよっ」
俺がしんみりした気分になっていると、窓の方から茶髪の少女がこちらに向かってきた。
明らかに染めているとみえるあの髪の色は凜の親友、城島 詩維(じょうじま しい)だ。
「詩維、おはよ」
「おはよ!翼と漸もおはよっ」
「おう、おはよ」
詩維は俺らに挨拶した後、珍しい物でも見るような目付きで俺らを眺めた。
「…何?」
俺の問い掛けに詩維はニッコリ笑って答える。
「いや、漸と翼…なんて、珍しい組み合わせだと思って」
なるほど。
そういう事ね。
「ってゆーか!
凜!何で翼と漸と一緒にいるの?普段は男の子と一緒にいないじゃん?」
詩維は興味津津な瞳で凜を見つめた。
「理由は簡単!凜と翼は付き合ってるからだ♪んで俺はお伴の猿!」
漸がデカい声でそう言った。
かなり意味不明だね。
絶対漸の方が頭壊れてるよね。
…っていうのはツッコむ所じゃなくて!
「漸声デカすぎ!!」
と、俺が注意した頃にはもう時既に遅し。
「うっそ、マジ!?」
「2人とも付き合ってんのー?」
「初耳なんですけど」
クラスメイトが予想通りのリアクションをくれた。
「……あ」
漸が今更になって焦りだす。
「……阿呆」
俺は漸に一言トドメを刺す。
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