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「いいじゃん。この際みんなに伝えよ♪公認カップルになっちゃおう!」
凜はそう言うと、俺の右手をとって、繋いだ手を高く上げる。
そしてこの上なく幸せそうな顔で笑った。
「私、若菜凜と朔夜翼は昨日から付き合っています♪ちなみに告白くれたのは翼でーす」
こら、余計な事言うな。
「マジでー?ってか告白って翼のキャラじゃないよね」
うるさいよ、クラスメイトA
「でも超お似合いだよっ」
どうもどうも♪
「いいな♪美男美女じゃん」
素敵な褒め言葉だね。
「俺、凜の事狙ってたのになー」
っておい!!
クラスから上がる歓迎の声にまたいちいち心の中で反応しながらも笑顔を振りまく俺。
こうして歓迎してくれる事が何よりも嬉しかった。
だけどただ1人歓迎してくれていない奴…
練が、派手に教室のドアを蹴っ飛ばして教室を出て行った。
「練…どうしたんだろ…」
凜が練の出て行った教室のを見ながら不安な顔で言う。
「さぁな…。ほっときゃいいんじゃね?腹が空きゃあ戻って来るだろ」
大して気にする感じもなく、漸は言う。
でも俺は朝の事もあって、足がフラフラした。
漸のように受け流せる余裕もなけりゃ、凜のように不安がる事もない。
だって俺は練が何故あんなふうに立ち去ったのかっていう理由を知ってしまっているから。
あるのは余裕でもなく、不安でもなく、焦りだけだった。
「翼…お前今日変だぞ」
漸が何かを探るように様子のおかしい俺を見てくる。
「な…なんで…何でも…ね…か…ら…」
俺はそれだけ言うのにも必死だった。
さっき決心したばっかだったのにな?
俺は強くならなきゃいけないって。
凜を守るって。
誓ったばっかだったのにな?
…やっぱり俺には、そんな事言える資格ないのか?
俺はそんな思考を吹き飛ばすように首を左右に振った。
何も知らないふりをして。
何もなかったかのように。
そして席に着こうと足を踏み出した瞬間…
俺の視界はグルグル回った。
その後すぐに俺は意識を手放した。
そう、気絶してしまったのだった。
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