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上総水産大学のキャンパス。
ロードバイクのカタログを眺めて目を輝かせる学生がいた。
河嶋陽介 21歳
嬉しそうな表情で
『よし、もうすぐだ!これを買うぞぉ~!!』
『陽介、おっす!!』
『おう、昇!!』
昇『いよいよ買うのか、新しいロードバイク。』
陽介『もう少しで目標額だ。』
昇『これを買うために去年の夏から一年バイトしてたんだもんな。』
陽介『まぁな。行こうなサイクリング。』
大学四年で海洋生物学部に在籍し、ロードバイクのサークルに入っていて
来年卒業を控えて就職活動を考えつつ
最後の夏休みに青春を満喫していた。
一馬『倉田千夏が呼んでたぞ』
声をかけていたのは同じ学部の
水野 昇(ノボル)
秋山一馬(カズマ)
ロードバイクサークルの仲間である。
そして陽介に思いを寄せる
倉田千夏(チカ)
陽介は、幼い頃から水泳が大の苦手だった。
プールで溺れたことがトラウマで水に対する恐怖心は隠せない。そのことが本人のコンプレックスであった。
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