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モグ1「つっても、ほんの1ヶ月前の話だけどね。」
「つまり谷が干からびたわけを知れば、何とか脱出法を見つけれそうだな。」
モグ2「まぁこの谷の上流部を探ればいいんじゃない。遠いし、ただの絶壁だけど。」
モグ1「それに怪物は谷の下の方に行ってるから命の延長になるしね。」ちょっとやな言い方だな。まぁとりあえず上流部を目指そう。
「ま~だ~?」
モグ2「まだまだ先々。」
「ついて来てくれるのは有り難いんだけど、どうしてそう元気なの?」
モグ1「そりゃモグラは常に土を掘り進み鍛えているからね。それに君の相棒だって全然疲れてないじゃん。」
そらぁ毎度毎度ひとの頭で休憩はさめばね。しかし上に来ても景色が変わる訳でもなくおかしい。さらに上流てのはこう…細くなっていって、山な感じでせせらぐものだろう。ふと猫に髪を引っ張られる。目の前には絶壁が谷を追い越してそびえている。
モグ1「着いたよ。」
モグ2「ね。何もないただ絶壁でしょ。」
「ここの壁もつたっていっても途中から硬いの?」
モグ1「そう。挑戦は無駄に終わったわけだ。」しかし妙だこの絶壁は何か作られた感じが…押し固められた外見をしている。ずっと考えていた、この足下の地面もそうだ。
「なぁ、こういう考えはありと思わない?」
モグ1・2「何が?」
「ここは昔、たしかに上流で水がせせらぎ谷へと水を流してきた。が、実は水が嫌いな怪物がどんどん山から湧き出る水を、土をかぶせ踏みならし続けた。すると湧き出れずこの谷底の下を地下水としていきわたって行きながら谷底をやわらかくする。」
モグ2「なるほど。そしてアイツは足が短くて巨体。どんどん谷を上から下とひたすら往復。」
モグ1「この深い谷が出来あがりってことか。」
「そう。そして水は今もこの谷底の下を地下水として流れている。」
猫が谷底を掘り始めた。話がわかる上、行動が早い!けどつまりそういう事だ。「ここを掘ろう!下にいけばいくほど水があり、やらかいから掘りやすいし。」モグ1「そうか。何で今まで気付かなかったんだろう。僕も手伝うよ。」
モグ2「僕も。」
「うん。水さえここから流せばまた、それをきっかけに谷が元に戻るし、怪物を倒せるかもしれない。」
モグ2「けど、その後あんたらはどうするん?」
そこだ!けど今ほかに思いつくことないし、怪物の餌なんてまっぴらごめんだ。「とにかく時間ない。そん時はそん時だよ。今は掘ろう!」
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