谷底の怪物

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猫が耳をピクピクとしきりに動かし始めた。「……ォォオオ」 今度は猫だけでなく残りの一人と二匹にも聴こえた。近い。 モグ1「ごめん。僕らはいつものように隠れるよ。」 モグ2「頑張れな。」二匹は逃げ出した。ついに来た。デカい。イメージ通りなのが余計怖い。ドスンドスンと近づいてくる。 ちょっとさすがにヤバい。タイトは自分の手をカリッとかじると、血を猫に与え変化させた。後ろは絶壁、十メートル前には奴。いきなり舌をタイトと猫めがけとばしてきた。タイトと猫は両脇に飛び、かわす。舌で標的を包み飲み込むタイプか。怪物は猫を先に狙いだした。猫は舌をうまくかわしながらタイトに、いい考えはないかと目でたずねてくる。後少しなのにとモグラと一緒に掘った奴の足下の穴をみる。 「そうだ!」タイトは猫に考えを伝えた。猫は風を利用して怪物の頭上まで上がった。怪物は猫を見上げながら前進。猫は穴に誘導。あと一歩の所で穴の位置が悪かった。猫は逃げ場を失い危険だ。タイトは左足を後ろからおもいっきり体当たりした。びくともしなかったが怪物の視線はチラッとタイトに向いた。隙をみて猫が怪物の後ろに回るとありったけの風圧を奴にぶつけた。怪物の左足が穴にハマって沈んでいく。ついに水が吹き出た。そこをさかいにドンドン水が溢れる。怪物は水を嫌いもがくが溢れる水にのまれていく。タイトは力を使い果たし落ちてきた猫をキャッチすると溢れる水に必死に耐える。水は勢いを増し奴が踏み固めた土をはねのけて激流(川)を作り始めた。モグラ達が横壁からコレに捕まれと長い動物の骨を突き出してきた。
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