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谷底の謎解き
モグ1「出来ないんだ。」
「何故?」
モグ1「この谷は下にいくほど…まるで水分を自ら出しているようにやわらかいんだけど、上にいくにつれ硬くなって、谷の半分くらいまで掘り進むのが限界なんだ。」
「ふむ。そんでその怪物もあがれないの。」
モグ2「そだよ。でもアイツは何でも食うから……。それに君達みたいな生き物も多くはないが少なくもなく、落ちてきてはアイツの餌の運命だしね。」
猫がまた苦しそうにする。
「とりあえず、まだ日にちはある。今日は休もう。」
朝。遥か上のうえから光が谷を照らし始めた。一眠りした猫は一応回復はした。この谷は下にいくほど水分がある。けど広さを考えるとどうしてもこう…ひたすら川、ていうより水が激流してた想像しか浮かばない。とりあえず怪物とやら、さすがにイメージからして勝てそうもない。めざせ、この谷底からの脱出!
けど手段が浮かばない。またあのモグラ達に会えないだろうか?…ふと猫がタイトの頭に乗り、強引に横を向かせる。
「痛っ!あっ、いた!」
モグ1・2「やあ~。」
「あのさぁ。いきなり何だけど君達、なんでモグラなのに落ちたの?」
モグ1「えっとね。昔ここ、とても水が流れてたんだ。」
やっぱり。
モグ1「でもね。普通に雨が時々降っていたにもかかわらず、谷の水はどんどんひからびてったんだ。」
猫がそれでそれでってな感じに耳を傾ける。
モグ2「ついにはなくなり、谷の近くの地を巣にしてた僕らは硬くなる土に追いやられ、あげくこの状況。」
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