谷底の謎解き

1/2
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/8ページ

谷底の謎解き

モグ1「出来ないんだ。」 「何故?」 モグ1「この谷は下にいくほど…まるで水分を自ら出しているようにやわらかいんだけど、上にいくにつれ硬くなって、谷の半分くらいまで掘り進むのが限界なんだ。」 「ふむ。そんでその怪物もあがれないの。」 モグ2「そだよ。でもアイツは何でも食うから……。それに君達みたいな生き物も多くはないが少なくもなく、落ちてきてはアイツの餌の運命だしね。」 猫がまた苦しそうにする。 「とりあえず、まだ日にちはある。今日は休もう。」 朝。遥か上のうえから光が谷を照らし始めた。一眠りした猫は一応回復はした。この谷は下にいくほど水分がある。けど広さを考えるとどうしてもこう…ひたすら川、ていうより水が激流してた想像しか浮かばない。とりあえず怪物とやら、さすがにイメージからして勝てそうもない。めざせ、この谷底からの脱出! けど手段が浮かばない。またあのモグラ達に会えないだろうか?…ふと猫がタイトの頭に乗り、強引に横を向かせる。 「痛っ!あっ、いた!」 モグ1・2「やあ~。」 「あのさぁ。いきなり何だけど君達、なんでモグラなのに落ちたの?」 モグ1「えっとね。昔ここ、とても水が流れてたんだ。」 やっぱり。 モグ1「でもね。普通に雨が時々降っていたにもかかわらず、谷の水はどんどんひからびてったんだ。」 猫がそれでそれでってな感じに耳を傾ける。 モグ2「ついにはなくなり、谷の近くの地を巣にしてた僕らは硬くなる土に追いやられ、あげくこの状況。」
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!