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深夜2時。誰もが寝静まったその時間に、○○駅の路地裏に、赤い靴を履いていくと、青い鼻をしたピエロが現れる。彼は、青い鼻と、まるで血で染められたような真っ赤な服を着ているんだ。
「レディース&ジェントルマン!」
こう話し出すピエロは、地獄の公演をスタートさせる。
「まずは玉乗りを致しましょう!」
暗闇から音もなく大きな玉が現れる。その玉には、無数の人の首が集まって出来ているんだ。この首に乗ったピエロは、客に向かって進み出す。だんだん速度を上げながら、客の悲鳴を陶酔しながら。
どうにか逃げ切った客には更なる恐怖が待っている。
「お次は、猛獣ショーをお見せします!」
烏や野良猫達が一斉に叫び出す。気づくと背後に、5㍍はあるかという大虎が現れる。その虎は、全身を腐らせ、片目が抜け落ち、異常に牙が鋭いんだ。此処まで来たら、客には途中退場は許されない。四肢を千切られ、腸を投げ捨てられ、およそ人だと思われない姿で、この世に別れを告げる。
後に残るのは、鮮血を浴びたピエロの、嬉々とした笑い声だけ…。
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