〓FILE 1〓

2/13

449人が本棚に入れています
本棚に追加
/132ページ
 外はまだ冬の寒さが厳しく冷たい風が吹き、行き交う人々は体を縮め足早に過ぎ去る。        冬は苦手だけどこの澄んだ青空は好き。        だってなんだか生まれ変わった様な気分になるから。         『紗衣!!何ボケッとしてるんだよ、手を動かせ!手を!!』   『ふぁ~い』        気の抜けた返事をすると真(まこと)が睨み、私は慌てて掃除に取り掛かる。        私は、壬生紗衣(みぶ さい)。        高校1年生。        で、まだ私を厳しい目で見ているまるで小姑の様な……。        これ以上は自粛します。        私の幼馴染みの甲山 真(こうやま まこと)。         同じく高校1年生。        私達はただいまバイト中なんです。         依頼者のお宅を大掃除。        いわゆる`何でも屋'。       どうしてこんな事になったのか、話せば長い長いお話なんです。        それは、高校に入学して1ヶ月。        兄の突然の叫びから始まるのです。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

449人が本棚に入れています
本棚に追加