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外はまだ冬の寒さが厳しく冷たい風が吹き、行き交う人々は体を縮め足早に過ぎ去る。
冬は苦手だけどこの澄んだ青空は好き。
だってなんだか生まれ変わった様な気分になるから。
『紗衣!!何ボケッとしてるんだよ、手を動かせ!手を!!』
『ふぁ~い』
気の抜けた返事をすると真(まこと)が睨み、私は慌てて掃除に取り掛かる。
私は、壬生紗衣(みぶ さい)。
高校1年生。
で、まだ私を厳しい目で見ているまるで小姑の様な……。
これ以上は自粛します。
私の幼馴染みの甲山 真(こうやま まこと)。
同じく高校1年生。
私達はただいまバイト中なんです。
依頼者のお宅を大掃除。
いわゆる`何でも屋'。
どうしてこんな事になったのか、話せば長い長いお話なんです。
それは、高校に入学して1ヶ月。
兄の突然の叫びから始まるのです。
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