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『紗衣!!大事件だ!!』
『…………』
家に帰って来るなり床に突っ伏してオイオイ泣き出す兄を見て私はいつもの事だと無視する。
兄、壬生 昴(みぶ すばる)。
これでも一流企業に勤める、27歳だ。
私達には親がいない。
6年前。
両親は事故で亡くなったのだ。
それからは兄が親代りとなり私を育ててくれた。
それには本当に凄く感謝している。
ただ……。
ただね??
昔から私の事を溺愛している為異様なまでの過保護なんです。
お陰様で彼氏出来ません……うぅ……。
外ではキリッとしていて常に冷静沈着と呼ばれ紳士的だ、とか言われかなりモテる。
だが、実態は……ただの情けないオジサンだよね、これじゃあ。
チラッと私を盗み見る。
あぁ!!面倒くさいなぁ!!
『……紗衣…酷いよ…』
声に出てました??
『……で、何??』
まだ少しイジケながら話出す。
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