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ゆっくり立ち上がり何事も無かった様にソファに座り話す。
突っ込むのも面倒くさい……。
『実はな…………』
いつもとは違い真剣な表情だ。
何??
本当に何かあったの??
『……転勤が決まった』
『……はい??』
兄はとても辛そうに話しを続ける。
『しかも……アメリカだ……』
『良かったじゃん!!栄転じゃない!!』
確か新事業の展開でアメリカに支店が出来ると以前兄から聞かされていた。
『良くない!!』
『えっ……??』
兄は勢い良く立ち上がり体をフルフルと震わせ叫ぶ。
『紗衣と離れ離れになるじゃないか!!』
そこですか??
いや、私としてはかなり嬉しい知らせですけど……とは声に出して言えない。
『いや、ほら私ももう高校生だし、それに念願の栄転でアメリカだよ??』
『紗衣はまだ高校生だ!!それにか弱い女の子を1人残して行くとは……あぁ!!最悪な事態だ!!』
それから兄は、アイツに頼みたくないが、いやでもアイツしかいないし、でも……とブツブツ呟く。
アイツ??
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