―3―

28/29
前へ
/132ページ
次へ
 兄は、痛い所を突かれたと顔をしかめる。       『だって……』   『だって??』   『これ以上……流に近付いて欲しくない……』        …………はぁ??       『俺は、紗衣と一緒にいれなくてこんなに辛い思いしてるのに、流はずっと、ず――と、いつも一緒で……もしかしらって考えただけで……俺は……あぁ!!堪えられない!!』        はぁ~~。        私と流さんは呆れてため息をつく。       『お前の兄貴は重症だな』   『そうみたい』        そして、ため息を一つ。        その夜は、兄も流さんの家で休ませてもらう事になった。        不思議と羅衣はその日姿を見せる事は無かった。
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

449人が本棚に入れています
本棚に追加