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そして、身体中にあった眼がス――と跡形も無く消えて行き、白い泡となってフワフワと揺れながら消えて行った。
「そうか、娘、そなたがマヤか??」
『えっ!?』
「気をつけろ、黒い影がそなたを狙っている……それと……ありがとう……感…謝…する……」
眼鬼(メキ)は、消え行く中で最後の言葉を残して行った。
私の涙と共に優しき幻妖(アヤカシ)は、浄化して行く。
意味深な言葉を残して……。
その様子を暗い暗い闇の中から、息を潜めながら見つめるものがいた。
`見付けた'
`マヤ……必ず我が手に……'
口をニタリと卑(イヤ)しく歪めながら、見つめるのを誰1人気付かなかった。
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