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『…なんで助けたんすか…ねぇなんで?……。』
このメガネの少年はさっきからずっとこんな調子だ。
意外とねちっこい。
「いや、だってお前、死にそうだったら普通助けるだろ………」
俺がそういうと彼は突然立ち上がり声を張り上げて叫んだ。
『あんたに俺を止める権利あんのかよ!!こっちの事情も知らないくせに勝手なことすんじゃねぇ!!』
確かにそうだった。俺がもし死神のままだったらそのまま死ぬのを待って魂をいただいていただろう。
死神は悪人の魂しか持って帰ることはできないが自殺した時点で相当な悪ポイントがつく。
本来であればこいつが死のうが生きようが関係なく、むしろ死んでくれたほうがありがたい話なのだ。
しかし今の俺は生き神だ。なんとかこの粘着質なメガネ野郎を生かさなければならない。
俺は腫れ物にさわるように俯いているメガネに話し掛けた。
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