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「だから身元は未来から…!」
「未来から来たんだろう?」
必死に対抗するセフィの言葉を遮るようにカインは言う。
「そんな簡単に信じられる事じゃねぇんだよ」
分かっていてもどうしようもない真実。
でもセフィには元の世界に戻る方法も分からないし、これからどうすれば良いのかも分からない。
しかしこの島に残されたとしても船に居たとしても帰れる保証はない。だったら…。
そして一つの決意をする。
「あたしを海賊の仲間に入れてくれ!」
しかしその決意は呆気なく断られてしまう。
「言っただろ?使えねぇ奴はいらねぇんだ」
全く興味を持とうとしないカインは煙草を吸い、フゥと空に煙を吐いた。
「…使えねぇかどうかはやってみなきゃ分からねぇだろ?」
……カチャ
セフィは何か思いついたかのようにそう言うと、持っていた小さな鞄から銃らしきものを取り出し、彼に向けて構えた。
「ほぅ…撃てんの?お前なんかが…」
馬鹿にするようにフッと鼻で笑い、目線だけ彼女に向けたその時──
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