582人が本棚に入れています
本棚に追加
近辺の道は殆ど知っていたはずのだが、犬に着いて行った先は初めて見る場所だった。
「へぇ…こんなところが在ったんだ」
──ワンッ!ワンッ!
辺りを見回しながら歩いていると、犬はある壁の前で停止して吠え出した。
──ワンッ!ワンッ!
一見他の機械仕掛けの壁と変わらないのだが、犬は全く動こうとはせず、ただただ吠え続けている。
「此所に何が在るって言うんだよ……?」
訳が分からないセフィは犬の吠える先─つまり壁に触れた。
するとその瞬間、壁が急に光り出したのだ。
「なっ…なに!?」
あまりの眩しさで彼女は目を瞑る。
───目を開けた時には、今までなかったはずの木製の扉がそこには在った。
「なに…これ……」
如何にも怪しい扉。
だが彼女はこういうことに関してとても好奇心旺盛だ。
怪しい。
でも気になる。
そして面白そう、行ってみよう…!
そう心に決めると扉へと手を掛けた。
ギィ──
そして不気味な音と共に扉を開き、彼女は中へと進んで行った。
最初のコメントを投稿しよう!