扉の先は

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次にセフィが目を開けた時、そこは冷たい床の上。 辺りは真っ暗で、いくつかのランプの灯だけで照らしている牢屋の中であった。 「う…夢?でも此所何処だ?」 状況が全く掴めないセフィは、その場で上体を起こして胡座を掻きながら首を鳴らす。 やっぱり夢だったのか。 まぁそんな上手い話があるわけない。 夢にまでみるなんて相当ハマってるな。 自嘲気味に笑いながら考えていると、そこに先程見た短髪の男が奥にあった階段から降りて来た。 「お。起きたか……?」 「…あー!夢じゃなかったのか!なぁあんた誰なの!?てか此所何処!?」 男を見つけるとセフィは彼を指を差して夢じゃなかった、と呟くと再び一気に幾つもの質問を投げ掛けた。 「あ~うるせぇ」 その男はあまりの煩さに眉を潜めて耳を抑えると、今来た方向に向かって叫ぶ。 「おーい、カイン!起きたみたいだぜー」 「あ?やっと起きたか……」 暫くするとカインと呼ばれた男がギシ、ギシという音と共にゆっくりと階段を降りてきた。 彼はセフィの目の前まで行くと、その場にしゃがんで目線を合わせる。 「よう、坊主。お前どっからこの船に潜り込んだ?」 金色で長めの髪を横で一つに束ね、青い瞳をしたその男がジッと彼女の目を見つめる。 その男は右目が見えないのか眼帯をしている。 “どっから潜り込んだ?” 頭の中で彼の言葉をリピートした時、ふとある疑問が浮かぶ。 その瞬間セフィは食い掛かるように怒鳴った。 「ちょ…待てよ!坊主って…あたしは女だ!!」
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