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呆気に取られた二人の男は、彼女の言葉に驚きを見せると急に笑い出した。
「おん、な?……あっははは!お前女だったのか!」
大声で笑う金髪の男に対し、短髪の男は後ろの方で壁に寄りかかり、笑いを我慢しているのか小さく震えている。
間違えられるのに慣れていると言っても、やっぱりムカつきを隠せないセフィは頬を膨らませフンッとそっぽを向く。
「ククッ……はぁ、さてと……」
金髪の男は暫く笑っていたと思うと、落ち着きを取り戻したのかセフィへと質問をし始めた。
「とりあえず…お前の名前は?」
「……あんたは?てか、此所は何処なんだ?」
ムスッとしながら目線だけ向けセフィは逆に聞き返す。
「聞いているのは俺だ」
男はさっきの笑みも消え、有無を言わせない態度で偉そうに無表情で言い返した。
しかしセフィはそれに対し不満そうに見つめる。
不機嫌にさせたのは自分か、と考えると男は溜め息を吐き、仕方ないというように答えた。
「俺はキャプテンのカインだ。そして此所は俺たちは海賊船の牢屋」
《答えたんだから答えろ》
言わなくても伝わるような目での訴えを、セフィは感じとった。
「…あたしはセフィ。なんか…変な扉を開けたら此所に着いたんだ……」
「つまり…」
信じたくはなかったが、信じざるを得なかったセフィは唾をゴクリと飲み、話を続けた。
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