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だから、不満を込めて問掛けてみた。
「───あぁ、今回はあっと言う間に充電切れ」
予想の範疇外、
の答えに俺は首を傾げた。
「は??」
その仕草がおかしかったのか、庸介は笑いを含みながら言葉を続ける。
「うん、───おかしいよなぁ、お前の躰を知るまでは何年会わなくても我慢出来たのに───」
腕で作った檻の中に囚われて、俺は真っ直ぐ彼を見つめさせられた。
「なぁ、俺はお前の事ばかり考えてしまうよ、…遠くに居ると尚更ね。
離れてに暮らすお前を想うと気分が減入るんだ、
次はいつ会えるんだろう、いつ、この腕に抱いていとおしみを囁けるんだろうって」
…一々恥ずかしい事を口にして。
「…意味、わかんね」
「判ってよ。
俺が実家に帰って先ずしなきゃいけない事───は、お前に充電して貰う事なんだよ。
次はいつ会えるか───
この腕に抱きながらずっとその事ばかり考えてしまうんだから」
…他力本願。
何も俺に頼らなくても良いのに、本当、
俺を調子付かせるのが巧いんだ、庸介は。
「あのな、充電が必要なのはお前だけじゃ無いの」
「??」
俺を見下ろす庸介、の肩に指を這わす。
「お前がそう想ってんなら、俺だって───」
早く、切れかけた電池に愛を注いで。
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