序章 ~終わらぬ悪夢~

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 優しい月夜に抱かれてまどろめど、醒めぬ悪夢の侵食が牙を剥く。  いつしか眠りにつく事さえ怖れ、誰もいない城をふらつきながら、僕はふいに、君の名を口にする。  「リチア…」  想いを馳せて溢れる、一粒の雫。  頬が濡れない事は、一度としてなく。  僕の罪は、永遠に赦されない。  僕の贖いは、永遠に続いていく。  君への想いを閉じ込めて、何処までも、何時までも。
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