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僕は、血塗られた十字架を背負って、生き続けなければいけない。
死ぬ事も、病気になる事も、老いる事もない。その代わり、永遠に闇に囚われ、苦しみ続ける。
命を絶たれた人々とリチアの哀しい悲鳴に心を引き裂かれ、時折、思い出したように身体を巡る激痛に狂わされながら。
時間の凍りついた城の中で、ただ独り。
それが、僕の宿命(さだめ)。終わりを告げる事のない、運命。
僕のせいで、人々が犠牲になったのだ。僕のせいで、リチアは命を失ったのだ。
僕のせいで。僕のせいで。僕のせいで。僕のせいで。僕のせいで。
どんなに懺悔をしても、赦される事など、ありえない。
「そうだろう、リチア…?」
褪せる事のない想いを胸に、彼女の棺を見やって、静かに呟く。
まるで、自分に言い聞かせるかのように。
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