のこみと父の

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  父  「なあ」 のこみ「なに」 父  「俺とお前は家族だ」 のこみ「そうなんだ」 父  「……」 のこみ「そうだね」   父  「何故お前は俺を殺したがる」 のこみ「家族、だから」 父  「家族は本来、助け合うものだぞ」 のこみ「だから殺すの」 父  「理不尽だな」 のこみ「道理通りじゃない」     父  「お前の頭の中、見てみたいよ」 のこみ「割る?」 父  「いや、そういう意味じゃなくてさ…   …」 のこみ「……きっとあたしとお父さんの考え方    は180゚違うよ。だから分かり合えな    いんだ、だから憎み合うんだよ。何故    お母さんがいないのか分かる?分か    ってるよね、思い出すのが怖いんでし    ょう。あたしはもうお母さんのことな    んて忘れたのに。    お父さんはまだ、罪の意識を感じてる    の?そりゃあそうだよね、お父さんが    、ちゃんとあたしを見てたら、あん    なことにはならなかったんだから。    ね、あたしにとっての自己満足は、お    父さんから見れば優しさ。    あたしにとっての同情は、お父さんか    ら見れば親切。お父さんはあたしと全    く違う。    だからあたしはお父さんを殺すんだ。    あたしはお父さんみたいに正直でお    人好しで損な性格になってしまうのが    怖いから。あたしはあたしを貫きたい    の。だから、殺すのよ。」   父  「そうか。」 のこみ「うん」 父  「寂しかったんだな」 のこみ「……」 父  「ごめんな」     のこみ「……お父さんのそういうところが嫌い    なのよ。」
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