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仲間の行方を心配する二人は、夜が明ける前に目を覚ました。それから、消耗した体力を回復しようと食事を始めた。
彼らがささやかな朝食を終えた後、ミーアが申し訳なさそうに二人の居る部屋へと入ってきた。
「お早うございます」
ミーアは、二人の顔を交互に見やると、目頭を押さえながら深々と頭を下げる。
「昨晩は、お話をする前に床に就いてしまい、申し訳ございませんでした」
か細い声で話してから顔を上げ、ミーアは力の無い眼差しでベネットの顔を見つめる。
「いや、気にしないで欲しい。貴女が居なければ、私達は寒空の下で野宿をしなければならなかっただろうから」
一方、ミーアの辛そうな表情を見たベネットは、これ以上気を遣わせまいと優しく笑いかけた。
「そうそう。家の中で寝られて助かったよ。僕達は、ミーアさんにありがとうって言わなきゃ」
ベネットの話を聞いたダームは、そう話すと直ぐに柔らかな笑顔を浮かべる。
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