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「ところで、私達はそろそろ出発しようと思う」
暫くの沈黙の後、ベネットが話を切り出した。その一方、ダームは何度か大きな瞬きをし、それからゆっくりと口を開く。
「そうだね。早くカシルを見つけて、町の人達を返して貰おう」
そう言うと、ダームは自らの荷物を抱え、ミーアに対して笑いかけた。しかし、これからカシルの説明をするつもりでいたミーアは、困惑した様子を見せる。
「それでは、散歩に出ているザウバーを見つけ次第、町の人達を救出に向かいます。泊めて頂き非常に助かりました」
ベネットは、そう言って一礼すると、足早にミーアの家から立ち去った。
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