寂寥

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 暫くして銀色の陣が消えた時、ベネットはゆっくりと目を開いて少年の顔を見た。 「ザウバーの居場所が分かった。此処から、さほど遠くない場所に居る」  そこまで伝えると、ベネットは軽く目を細め、大きく息を吸い込んだ。 「じゃあ、ひとまず安心だね」  ダームは、そう言うと静かに胸を撫で下ろす。 「ああ。兎に角、ザウバーが居る場所まで移動してみよう。だが、そこに至るまで何が待ち受けているか分からない。その上、防御魔法を使えるザウバーは居ない」  ベネットは、そう言うと気怠そうに溜め息を吐いた。 「なるべく早く向かいたいのは山々だが、いつもに増して慎重に進もう」  ベネットは、安堵の表情を浮かべている少年に対し、ザウバーの安否を確認するまでは気を抜かないよう注意した。 「そうだね。ザウバーが居なくなった原因もはっきりしないし、魔物の気配とか、いつもより注意しないと」  ベネットの話を聞いたダームと言えば、恥ずかしそうに頭を掻きながら言葉を紡いだ。
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