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かったるい、机の上で頬杖を突き授業の内容を半分聞き流す。
教室の真ん中あたりにある俺の机からは、しっかりと授業を受けている生徒の姿と、寝ている生徒の割合が半々だと認識できる。
つまらない。授業がではなく最近の生活がだ。
何か面白いことでも無いものか、最近はそんなことをよく考える。
「(まぁ面白いことなんて起こる訳がねーか)」
起こる訳がない。
そう思っていた俺の瞳に何か変なものが映った。
『それ』は俺の机から右に1つ、前に2つ進んだところで見えた。
「(消しゴム拾ってるのかな…)」
それだけならどこにでもある光景だけど、どうしても不自然に思えてしまう。
何故なら、消しゴムを拾ってるのが、机に座っている生徒の腕ではなく別な何かの腕だからだ。
ゴツイ腕なのに半分透けて見える。気味が悪いとは思わない、感情の全てが好奇心で埋まる。
同じなのだろうか?あいつから見えた腕と俺の『幽霊』も。
とりあえず放課後になったら話しかけてみようか、そう思い右に1つ、前に2つの机の生徒の名前を記憶から探しだす。
「(古賀修司(こがしゅうじ)…だったよな)」
確認終了、後は放課後を待とう。
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