一人

2/3
前へ
/12ページ
次へ
僕は隆の家に行った。 隆の母親はどこかに出かけているようだったので、こっそりと、仏壇の置いてある部屋に行った。 隆の骨はまだ骨壷に入ったまま、家に置かれていた。 僕はすでにチョークの固まりのように見える骨の、体のどの部分かは分からないが一つを持ち出すことにした。 一旦家に帰り、母親が服を繕ったりするために置いてある端切れを一枚持ち出し、それに隆の骨を包んだ。 そして、そのまま隆が首を吊っていた小学校の校庭に行き、あの桜の木の根元に隆の骨を埋めた。 僕の復讐を隆にも見せたかった。
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加